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DQアドベンチャー

10 :A.I. ◆CXostpSKZ. :03/11/29 22:49 ID:tFSAZpJc
 この国は曇りが多い。ただそんな日でも小鳥のさえずりと新鮮な空気は、
いま朝を迎えていることを教えてくれる。
 公園のベンチにたたずむ少女に、下腹に貫禄のある男が包み紙を手にやってきた。
「いやぁ、待たせたねアリーナ」
「それよりトルネコさん、この国で一番美味しいものを食べさせてくれるって……」
 男が広げたものがアリーナの鼻をそそり、それがフィッシュ&チップスだと知った。
「ローストビーフは祝いの日だけで充分だが、これなら毎日いけるからね」
「食べ過ぎるとネネさんに叱られますよ……あっ、実はこの服ネネブランドなんです」
 アリーナはブラウンのコートを一回転して見せた。それと同時にオレンジの髪がふわりと舞う。
 口髭の生えた中年の大商人は、その様子を喜ばしい半面、複雑な気持ちで眺めていた。

「……進化の秘法を使い、その力を押さえるために黄金の腕輪と静寂の玉を体内に埋め込んだという
のは本当のことなのかい?」
 答えは少女の頷きで表された。
「でもわたしがやるしかないんです。それに城を抜け出した時から気持ちは変わっていません。
誰よりも強くなりたい!困っているひとを助けたい!」
 トルネコは目を閉じたまま、何度か頷いていた。そしてゆっくりと立ち上がった。
「サントハイムの国王から伝言を預かっていてね。『自分に素直に生きなさい』との
ことだったよ」
「……お父様には手紙を送ります」
「その時はトルネコ商会をよろしく」
 中年の男が笑いながら去っていくのを見送りつつ、アリーナは武闘家と王女という
二つの運命の天秤を計らずにはいられなかった。

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